それはかなり珍しい光景だった。
どこで手に入れたのか、それとも誰かに頂戴したものなのか。
大きな大きな、抱きしめている人間とほぼ同じくらいの大きさの。
兎の人形を抱きしめた佐助が。
縁側ですやすやと寝息をたてていた。
勿論、ここは佐助に宛がわれた部屋。
部屋の前で眠っていても勿論いいのだ。
だが、この佐助が縁側で昼寝など。
性格上かなり珍しかったのだ。
この兎は大方政宗殿にもらったのだろう。
そう考えれば、些か憤りを感じる。
しかし・・・・
そのあまりに無防備で安らかに眠っている佐助を。
起こせるはずもなく。
某は隣に腰掛けて、髪を梳いた。
よほど任務に疲れたのだろう。
毎日任務に家事。雑用など。
休む暇などほとんどないだろう。
それは目の下にできたクマが堂々と主張しているから。
「佐助・・・」
呼んでも、人形を抱きしめるだけにおわった。
まるで、子供だな。
そういったら、きっと。
「あんたに言われたくない言葉ですよ。」
と、かえされるのだろうな。
そう思いながら、少しだけ対抗して。
寄り添ってみた。
人形がするりと佐助の手からはなれ。
寝返りをうって、某の腕をとらえた。
そしてくっついてきて。
先程よりも安心したような寝顔で。
眠りを再開した。
某は、ただ。
内心でかなり嬉しかったことと。
この安息日がいつまでも続くことを、切に願ったのだ。
ーーーーーー
温度のない人形を抱きしめていたら。
急に、暖かな何かが背に触れた。
俺にはない、温度。
この人形からも感じられない。
心から、ほしいと思った、温もり。
俺は夢だけでも、縋らせてほしいとおもって。
その光を抱きしめた。
すると、俺に応えてくれるように。
俺の体を、ぬくもりが優しく包み込んでくれた。
そんな時に、あの人をーーーー
夢の中だというのに、想った。
「・・・き・・・むら・・・さ・・・ま」
「?!!;///」
そうだ、この温もりが感じられるのは。
あの、熱いお人しかいないな。
でも、とても、暖かい。
熱くは、なかった。
けれど、紛れもなく、これは。
幸村様の、温度。
嗚呼、なんていい夢なんだろう。
この夢は、覚めないでほしいな。
覚めてしまったら、また。
肌寒さを覚えてしまうんだろうな。
「ゆき・・・む・・・ら・・・・さま・・」
俺は、寝言を発しているのだということにも気づかずに。
そして、隣で密かに慕ってきた人物が、いることに。
気づかないままに。
眠りについていたのだった。
ーーーー
あれ?なんで日記で文かけるんだ?!!
スランプだったのに!!!あれえ?!!
やばいなあ・・・すみません日記よんでるのかな皆様・・・
へたすると、日記更新になりそうですよこれ;
PR